「響きあう‘アート×生命×ケア’」をテーマとして、千年の微熱を放つ箱崎を舞台
に始動したアートフェスティバル「箱崎アートターミナル2011」を開催いたします。
本プロジェクトは2009年に始動し、今年を以って三年目の開催となります。
およそ千年前に筥崎宮が創建されたこの箱崎という土地より、今年開学百年を迎
える九州大学は、九年後に迫った箱崎キャンパス移転に向けて大きく動き始めてい
ます。百年の土地からの移転が告知された九大箱崎キャンパスの看取り、そしてタ
ーミナルケアへと本プロジェクトは通じていきます。
「箱崎アートターミナル」では、自己と他者とを分け隔てていく様々な障害を溶か
し、双方に拓かれた共有地である〝汽水域〟をつくりえる存在としてアートを捉え
ながら、ケアに根ざした新たな地域創造へとその力を借りてまいりました。しかし
「3.11」を迎えたこのくにでは、まるで卒中で倒れたかのように東西における身体
感覚が分かたれ、日常生活の節々にまで暗く深い違和感が染み出しています。
いったいアートは人に何をもたらすことができるのでしょうか。「文化というのは、
私たち人間の生きる力がなえた時、弱まったとき、くじけそうになった時に、私たち人
間を支えて、生きる力を強めるものだと定義したい」と民族文化映像研究所の姫田
忠義氏は述べます。だとすれば、人の胸から胸へと響きあう真の文化を、足元より
見いだす力こそが今必要とされているのはないでしょうか。
アートが生みだしうる汽水域において、東と西を、此岸と彼岸を、ともに越境してい
きたいと願います。(※「福岡市東区コミュニティユース2011助成事業」)